昭和プロレス

坂口征二、デトロイトでザ・シークと対戦して血だるま悶絶!

ジャイアント馬場

第11回ワールドリーグ戦が終了後、再びアメリカに戻った坂口征二ことビッグ・サカは、デトロイトで当時の看板レスラー兼プロモーターのザ・シークとこの日、USヘビー級選手権をかけて対戦することになった。
もちろん、これはレスラーとして大変晴れがましい舞台だが、同時に不安もあったという。

五大湖地区に限らず、当時のプロレス界は、その日の入場者数によって、選手のファイトマネーを変えるパーセンテージ制を採用するケースが多かった。
 タイトルマッチを行ったとしても、挑戦者の人気が低く、話題性が薄く、観客を集められなければ、第1試合の前座選手からメーンイベンターまで、選手のファイトマネーは大幅にダウンするというシステム。逆にメーンイベンターの人気が高ければ、全選手がその恩恵にあずかれるというワケだ。(「東京スポーツ」2009年5月20日付)


つまり、この日の全レスラーのファイトマネーは、メインに登場する坂口征二の人気にかかっていたわけだ。
日本ではとくに、ガチで誰が強いかという話に盛り上がるが、プロレスラーはひっきょう、会場に客を集められるかどうかが大切なのだ。
結局、この日のメープルリーフガーデンの観客席は超満員。7000人もの大観衆であふれ返った。ひとまずホッとしたという。だが、試合の方はシークに翻弄されっぱなしだった。

さっそくガウンを脱ぎ捨て、いざ臨戦態勢という、ほんの一瞬の出来事だった。瞬間、視界から消えたシークは背後から私を襲撃し、後から首絞め、目つぶし、ンチ、頸動脈を絞められ、きなり意識を失いかけた。甘かった...。戦いはゴングの前から始まっていたのだ。(中略)
 急所攻撃で悶絶するところをラクダ固めに決められると、もはやギブアップするしかなかった。もはや後はない。(同)


そういえば、この3年後、日本プロレスのリングで、坂口はシークにUN選手権を奪われている。

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